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ジャストシステムの日本語テクノロジー

参考文献・図表

謝辞:

浮川和宣氏、浮川初子氏を初めとする、ジャストシステムでATOK開発に係わってこられた方々、紀田順一郎氏を初めとする歴代ATOK監修委員会委員諸氏、米国サンマイクロシステムズの樋浦秀樹氏、マイクロソフトプロダクトディベロプメントリミテッドの阿南康宏氏からは、仮名漢字変換技術に係わる当事者にしか知り得ない情報を多く提供していただいた。浦城恒雄氏を初めとする「情報処理」編集関係者、bit編集部、月刊アスキー編集部には、過去に掲載された仮名漢字変換機能に係わる論文に目を通す便を図っていただいた。

参考文献:

  1. 高田宏:言葉の海へ,新潮社,東京(1978)
  2. 篠原一:電脳日本語論,月刊アスキー,Vol.24, No.7 (2000)
  3. 牧野寛:「カナ漢字変換,ワープロと日本語処理」,bit別冊,共立出版(1985)
  4. 箭内敏夫:電脳辞書の国語学,おうふう(1994)
  5. 紀田順一郎:「コンピュータと漢字文化」,しにか1990年5月号、p9ff
  6. 井上ひさし:「ワープロは日本語を変えたか」,文藝春秋1992年3月号p337
  7. 紀田順一郎:「日本語の歴史と現実に根ざして―――初期ATOK委員会の思い出」,ATOK監修委員会10周年記念シンポジウム[ケータイ言葉から方言まで――デジタル時代の日本語]、ジャストシステム(非売品)(2001)
  8. 浮川初子・阿望博喜:「仮名漢字変換の実用化技術と今後の課題」,人工知能学会誌,Vol.11 No.6 (1996)
  9. 郡司孝夫:二円と煮えん,言語,Vol.17, No.1 (1988)
図表1:黎明期のATOK
年月 事項 備考
1979年07月 ジャストシステム創業  
1981年 最初のパソコン用日本語処理システムの開発に着手  
1982年10月 8ビットマイコンの標準OS「CP/M」用日本語処理システム「KTIS」をデータショウで発表  
1983年10月 [KTIS]
(「JS-WORD」に搭載)
ATOKの前身。KTISとはKana-kanji Transfer Input Systemの頭文字。先読み単語・熟語変換方式を採用した。「JS-WORD」はNECのPC-100にバンドルされたジャストシステム開発、ASCII販売のワープロソフト。
1985年02月 [ATOK3]
(「jX-WORD太郎」に搭載)
初代ATOK−ATOK。ATOKは「エイトック」と読む。Advanced Technology Of Kana-kanji transferの頭文字。連文節かな漢字変換システム採用。
1985年08月 [ATOK4]
(「一太郎」に搭載)
MS-DOS上の他ソフトに組み込んで使えるようにFEP化。一太郎での日本語入力環境を他ソフトでも実現。
1986年05月 [ATOK5]
(「一太郎Ver.2」に搭載)
自動変換、複合連文節変換、複合単文節変換、一括変換の4つの変換方式を採用。
1987年06月 [ATOK6]
(「一太郎Ver.3」に搭載」)
 
1989年04月 [ATOK7]
(「一太郎Ver.4」「一太郎dash」に搭載)
EMS(拡張メモリ)に対応。環境に応じたサイズ別の辞書(S、M、L)を提供。
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図表2:規範追求期のATOK
年月 事項 備考
1992年01月 ATOK監修委員会発足 辞書編纂から変換候補の順位付け、AI変換用例など、日本語をコンピュータで扱うためのさまざまなテーマを、時代を見据えながら議論し、製品に反映していくための組織として発足。ATOK8のAI用例は、この委員会の議論が反映されている。
1993年04月 [ATOK8]
(「一太郎Ver.5」に搭載)
AI変換(共起)機能搭載。
1995年01月 [ATOK9]
(「一太郎Ver.6.3」に搭載)
ローマ字入力時のアルファベットの入力ミスや、カナ入力時の濁点・半濁点などの入力ミスを自動修正する自動入力補正機能「JAC」を搭載。
1996年09月 [ATOK10]
(「一太郎7」に搭載)
慣用句や仮名遣いの誤り、ら抜き表現などを入力変換時にリアルタイムで校正する「JUST MEDDLER」を搭載。
1997年02月 [ATOK11]
(「一太郎8」に搭載)
変換確定した単語の意味情報を元に、現在入力中の話題(分野)を抽出し、話題にあった最適な同音語を使い分ける文脈解析変換を搭載。
1998年09月 [ATOK12]
(「一太郎9」に搭載)
日本語変換の基本性能を見直し、“SuperATOKエンジン”を新たに開発。文脈解析処理をさらに強化し、文中の「それ」や「これ」のさす意味を理解し、より適切な変換候補の提示を可能とした。
1999年11月 [ATOK13]
(「一太郎10」に搭載)
漢字や記号のマウスによる手書き入力が可能な「手書き文字入力」、文脈から判断が難しい同音語の使い分けを変換候補窓に表示する「同音語選択支援」機能を搭載。さらに、変換履歴データを参照し、入力する単語を予想してポップアップ提示する「推測変換機能」、指定したファイルやフォルダ、クリップボードから未登録語やAI用例を抽出してユーザー辞書に自動的に学習させる「AI辞書トレーナー」機能等により、変換効率・速度が向上。
2001年03月 [ATOK14]
(「一太郎11」に搭載)
また、「ことば」を入力するだけで目的のホームページにアクセスできる「ATOK Direct」、サーバー上に設定されたさまざまな辞書やコンテンツを参照できる「ATOK Channel」、インターネットに個人の辞書を保存して、異なるパソコンからも常に自分のATOK環境が利用可能な「ATOK Sync」の3つから構成される「iATOK」により、インターネットとの融合をさらに強化。
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図表3:多様性追求期のATOK
年月 事項 備考
2002年02月 [ATOK15]
(「一太郎12」に搭載)
多彩な日本語表現への対応第一弾として「話し言葉関西モード」を搭載。「ATOK LAN Extension」は、LAN環境内で公開された他のパソコンの辞書を利用して、社内の専門用語や社員名簿、商品リスト等が共有でき、ATOKからデータベースへのアクセスが可能となる。また、言葉で関数を入力できる「Excel関数入力支援」なども搭載、単なる日本語変換を越えた機能を付加。
2003年02月 [ATOK16]
(「一太郎13」に搭載)
多様な表現に対応する「話し言葉北海道・東北モード」「話し言葉九州モード」「文語モード」を新たに搭載。確定した後でも誤字を指摘する「フィードバック変換」や、市町村合併などによる新名称を表示する「名称変更アシスト」機能なども導入。ATOKをパワーアップするオプション製品もあわせて提供。
2003年〜   さらなる進化を目指す。
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図表4:ATOKの環境、OSへの対応
年月 製品
1993年11月 ATOK8 for Macintosh
1994年04月 ATOK8 for Windows
1994年 ATOK8 for Solaris
1994年 ATOK8 for hp-ux
1998年10月 Voice ATOK
1999年04月 ATOK Pocket for WindowsCE
1999年07月 ATOK12 SE for Linux
2000年09月 ATOK X for Linux
2000年09月 ATOK Pocket for Palm OS(ATOK for Palm OS)
2001年03月 ATOK Pocket for Mobile Phone(ATOK for Mobile Phone)
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Update:2009.07.17