INTERVIEW
自然に出てきた言葉をそのまま伝えたい
ケータイATOK開発 関郁仁、下岡美由紀、武政秀和
contents
1.限られた大きさの中で動くATOK
2.自然に出てきた言葉をそのまま伝えること
下岡美由紀 下岡美由紀:
辞書内容の選定と
関西弁対応を統括 関郁仁 関郁仁:
ケイタイATOKの
制作総指揮者 武政秀和 武政秀和:
プログラミングの
制作総指揮者
1.限られた大きさの中で動くATOK
ATOK.com:
まず、誰もが疑問に思うかもしれません。パソコン用をそのまま搭載しているわけではないですよね?
武政秀和:
もちろんです。パソコン用がそのまま使えるわけではありません。
携帯電話に必要がない機能をなくしてから、よりコンパクト、かつ高速化を念頭において作ります。
ATOK.com:
当然、容量が限られますよね。
武政秀和:
はい。許容されるサイズ(器)は決まっているので、そのサイズに収まるようにするのが大変です。結構胃が痛くなるような思いをしています。
ATOK.com:
携帯電話は入力方法においてパソコンと違いますよね。その点はご考慮されたのでしょうか?
関郁仁:
もちろんです。携帯電話のボタンによる入力はどうしても手間がかかります。
ですから、ATOKはその手間を出来るだけ減らすために、携帯電話の入力方法にあった工夫が必要です。
ほんとうは人間はただ考えるだけで、文章にする作業はATOKが行うというのが理想形ですけど。
下岡美由紀:
変換エンジンを作る上で、
 ・話し言葉を優先的に変換
 ・日常生活でよく使われそうな語彙に配慮
 ・世の中のトレンドにも注目
という3つの視点を主に考慮しています。
並行して、辞書の容量を減らしつつ、より理想的な変換に近づけるよう努力しております。言葉は生き物ですから絶えず辞書も刷新していくことも、結果として手間を省くことになります。
2.自然に出てきた言葉をそのまま伝えること
ATOK.com:
携帯はアドレス帳からメール端末へと様変わりしていますので、
すんなり変換できるととても楽ですよね。
関郁仁:
はい、自然に出てくる言葉をそのまま変換できることが理想形です。
その発想のひとつとして「関西弁対応」が開発されました。
下岡美由紀:
今回は、西日本の言葉が全国の話し言葉に影響を与えている部分にも気をつけて対応しました。
「公園には/行かんかったよ」といった表現なら、少し広い地域で使われているのではないかと思います。
武政秀和:
大切なのはATOKが全面に出て、頑張って変換している姿を見せるのではなく、
携帯電話の画面上で使っている人が思い通りの言葉が操れるかどうかです。
これからも入力がどんどん楽になるような製品を作ってまいります。
関郁仁:
将来的なことをいえば、パソコンと融合できるといいですよね。
詳細は内緒ですが、ぜひとも実現したいと思います。それが更なるユーザーメリットにつながると思います。
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