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Inside ATOK 2007『「乗換案内 駅名変換辞書 for ATOK」開発者 ジョルダン株式会社-担当者インタビュー』

新たにATOK 2007で連携するようになった辞書のひとつが駅名変換辞書。そのベースとなる「乗換案内」を開発したジョルダン株式会社の方々(東寺 浩さん[写真中央]、為我井 羊一さん[写真右]、山内 哲さん[写真左])にお話をうかがいました。

「乗換案内」の駅名をすべて抽出してATOKへ

ジョルダン株式会社 企画営業部 マネージャ 東寺 浩さん
ジョルダン株式会社 企画営業部
マネージャ 東寺 浩さん

東寺私どもジョルダン株式会社は、社員約60数名、グループ全体で約100名の会社です。プログラム開発の会社としてスタートしましたが、今ではそのフィールドを広げ、ゲームはもちろん、DVDや書籍なども発売したり、旅行代理店まで手がけています。パッケージソフトである「乗換案内」は、そんなわが社の主軸の商品であり、売上でいいますと「乗換案内」及びその関連商品が約9割を占めています。

山内今回、「乗換案内 駅名変換辞書 for ATOK」に提供させていただいたデータは、「乗換案内」で使われている駅名をすべて抽出したものです。パソコンのソフトですから、鉄道の駅で新しい駅がでたら、ここに入ってきますし、もしある駅が廃止されたら、データからもなくなってしまうことになります。

鉄道会社も思わず感心してしまう情報力

ジョルダン株式会社 企画営業部 サブマネージャ 為我井 羊一さん
ジョルダン株式会社 企画営業部
サブマネージャ 為我井 羊一さん

為我井駅名のデータに関しては、当時の運輸省(現・国土交通省)に届け出がなされている駅名を基本にしました。ただパソコンのソフトですから、使いやすいようにアレンジしていて、たとえば極端に長い駅名であれば、慣用的に使われている駅名に変更するといった、若干の編集を行っています。住所に関しては届け出ないのでこちらで収集・編集をしました。また、運賃・所要時間を計算するためには、駅間の距離が必須なのですが、届け出のものと現実のものとが異なる場合があるので、独自の解釈・判断を加えている場合があります。
たとえば、湘南新宿ラインです。時刻表上では新宿を出て大崎から西大井、新川崎へと走りますが、距離を計算する上では品川を通っていることになっています。運賃の計算上でもそうです。でも実際の電車はそこを通っているわけではありません。ということは、もしこの距離に従ってデータをつくると、電車はどこかでワープしないといけません(笑)。それでは「乗換案内」が成り立ちませんので、そういうところにちょっとした魔法が加えてあります。内容は企業秘密ですが(笑)。 「乗換案内」をつくりはじめた頃は、たぶん私たちのほうが、鉄道会社さんよりもデータ化に関する経験・ノウハウを積んでいたのではないでしょうか。

「乗換案内」とATOKが出会うきっかけは、たまたま

ジョルダン株式会社 企画営業部 サブマネージャ 山内 哲さん
ジョルダン株式会社 企画営業部
サブマネージャ 山内 哲さん

東寺実は、もともとご提案をいただいていたのはジャストシステムさんの別の製品だったんです。その打ち合わせの席で、ウチの為我井がたまたま雑談で、ATOKでこういうのができるといいですよという話をしたことから始まったんですね。

為我井忘れもしません。去年の6月です。ある駅のことについて、私が話したんです。西武多摩川線の「多磨」という駅です。「多磨」という字は、多摩川線の「多摩」とは違います。地元の方はその「多磨」に慣れていますが、ケータイではその「多磨」は一発目にも出てきません。候補にすら出ないケータイもあります。ですから、定期的にクレームをいただくんですね。「乗換案内」が、ATOKのかな漢字変換で駅名を全部持っていたら、どれだけいいかと。そして、ATOKにも標準で日本国内の駅が全部入ったらどれだけ便利なのだろうかと。そうしたことを一方的にしゃべっていました。 そこから製作が始まり、試作品ができたんですけども、私たち一同驚愕したことがあるんです。ATOKには変換中に電子辞典を検索する機能がありますよね。で、そこに言葉に対する電子辞典検索結果が表示されるのですが、驚いたことに、ある駅の属している路線でその前後の駅まで全部表示される機能がついていたんです。その発想が正直なところ、こちらになくて。「ATOKにのるとこんなことができるんだ」と、こちらもどんどん発想が広がっていきましたね。

東寺そこで、おたがいが何をやっていくのかが見えましたからね。私どもも御社におじゃましまして、テレビ会議で徳島の方々と何度かお話ししながら進めさせていただきました。そうして最終的な製品へと至ったわけです。

「乗換案内」とATOKで、駅名がここまで快適・便利に入力できる!

読みの先頭に「たま」が来る駅は複数ありますが、一度確定すれば、その駅が優先的に表示されます。
読みの先頭に「たま」が来る駅は複数ありますが、
一度確定すれば、その駅が優先的に表示されます。

東寺「乗換案内 駅名変換辞書 for ATOK」をいろいろ試してみて驚きだったのは、駅名の履歴管理ができることですね。ATOKだと、一度入力した駅名が優先的に表示されるんです。たまたま1回しか入力していない駅名もありますが、大部分は自分にとって馴染みの深い駅だったり、よく行く駅だったりしますからね。そうなると、優先的に出てきてほしい情報が自然と決まってくる。これは、私たちにはまったくない発想でした。

山内今まで「乗換案内」は、駅名に関しては履歴管理を行っていなかったのですが、今回、データをご提供したことで、今後履歴管理をしていくことになりました。

東寺さらなる驚きとしては、駅名を変換すると地図のロケーションが出ますよね。それは私たちの駅情報の緯度経度データを利用しているのですが、私たちは想定していなくて。リンクできるというのは、ATOKの特長じゃないですか。ですから、ジャストシステムさんからの提案があって実現したことなんです。

為我井そのあたりは社内的にもいろいろありまして、本音で申し上げますと、おたがい、ボツにならずによくここまで来たなと(笑)。あと、駅名って変わった言葉が使われている場合が多いので、それが候補にあるというだけで本当に快適だなということですね。

「乗換案内」とATOKの次なる展開

「乗換案内」とATOKの次なる展開

東寺今回は製品発表に合わせ、一度時間を切っていますから、次回はそこで積み残した機能をしっかりと搭載していきたいですね。ジョルダンとしては、考えられるプラットフォームのすべてに対応していきたいという考え方なので、ケータイ、WEB、パソコンはもちろん、さまざまなメディアや国内外の案件など、さらなる展開を図っていきたいです。

為我井今回は、ATOKの電子辞典検索機能を経由して、何かをするという大きなヒントをいただいたので、そこからさまざまな要素を発展させていきたいですね。あと、すべての携帯電話にATOKが搭載されてほしいなと強く切望しています。そして、その中には「乗換案内」と辞書も入っていてほしいなと。これも強く切望しています。


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update:2007.03.22