そもそも「入力支援」って何なのか?
ATOKの特長として、タイプミスの自動補正を挙げる方が多くいらっしゃいますが、
その仕組みや詳細はあまり知られていません。
本コラムでは、ATOKの高度な「入力支援」が
どのように実現されているかを技術寄りの観点から解説していきます。
入力支援とはどのようなものですか?
頭の中で入力しようとした読みは正しいのに、打鍵の際に異なるキーをタイプしてしまうことがよくあります。
主な誤りとしては
1) 入力の一部を打ち飛ばしてしまったり
2) 入力順が入れ替わったり
3) 不要なキーを挿入してしまったり
4) キーを打ち間違えたり
等があります。
これらの入力の誤りを、意図した読みに修復する機能を「入力支援」と呼んでいます。
あー、思い当たることがある気がします。
たとえば「みてください」と入力しようとしたときに「みてくだしあ」と入力してしまうことがあるのですが、これは何に当てはまりますか?
これは「sai」の箇所が「sia」になった例で、「入力順が入れ替わったミス」ですね。
○ kudasai
× kudasia
でも、今ATOKで入力したら「みてくだしあ」が「見てください」に変換されましたよ。
入力ミスをしているはずなのになぜでしょうか。
ATOKが、「みてくだしあ」は「みてください」の入力を意図したものであると判断して自動で読みを修復した結果、「見てください」という変換結果が得られたからです。
似たような例として「おねぎあ」→「おねがい」があります。
これをそのまま変換しようとすると「尾根ギア」になったりするのですが、ATOKが読みを「おねがい」に修復することで正しい変換結果が得られるようにしています。
○ onegai
× onegia
そういえばブログやSNSで見かけたことある気がします。「尾根ギア」の表記。
「おねがい」と入力することは多いので、その都度入力ミスを直してくれるのはありがたいですね。
ATOKの入力支援はこれまでも何度も改良を重ねてきたと伺っていますが、日本語入力において「変換」だけでなく「入力支援」にも力を入れてきた理由は何ですか?
入力支援は目立ちません。ミスが修復されたことに気づかず入力を続けていることも多いでしょう。
でも、そのような縁の下の力持ちによって、頭に浮かんだことばや文章を、思考を中断されることなく入力していくことが可能になると考えています。
「変換」のかしこさはもちろんのこと、「入力ミス」に対するケアも行うことで、より快適な日本語入力環境を提供していきたい、それが「変換」だけでなく「入力支援」に力を入れてきた理由です。
なるほど、入力支援についてわかってきました。
そしてその入力支援が、2024年2月にさらに進化すると伺っています。
どのように進化するのかは、次回連載第2回をお楽しみに。
< 他の回の記事を見る >
第1回:
入力支援って何?
ATOKが入力ミスを
修復してる?
2024/01/11 公開
第2回:
「変換」のかしこさを「入力支援」にも!
それじゃない!
本当に入力したかったのは・・・
2024/01/18 公開
第3回:
同じ入力誤りでも、修復し分ける!
研修?検証?
わたしの入力傾向に合わせて
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2024/02/02 公開
第4回:
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意図せぬ「角煮」を送信前に修復!
え?角煮をお願い?
2024/02/09 公開
第5回:
出現頻度が低くても修復できる!
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mじなのさしみ(怖)
2024/02/15 公開
第6回:
決まり切った言い回しは、
意図をくんで正しい読みに!《★最終回★》
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2024/02/22 公開